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変動費率の求め方、目安や平均は?



変動費率の求め方、目安や平均は?


変動費率とは?

変動費率の意味と計算式

変動費率とは売上高と変動費との比率で、売上高に対して変動費がどの程度あるのかで変動費の割合を見ます。変動費は売上に連動して変動する費用のことです。変動費率が50%なら売上高が100の時は変動費は50、売上高が200の時は変動費は100になります。変動費率を求める計算式は以下の通りです。

変動費率の計算式

変動費率でとりあえずの収益力を見る

売上高から変動費を引いた残りの金額は限界利益といいます。企業の費用には変動費だけでなく売上とは関係なく発生する固定費があります。限界利益には固定費が考慮されていないので、企業のとりあえずの収益力を判断する指標として使われます。限界利益については詳しくは限界利益で解説しています。変動費率からは企業のとりあえずの収益力を判断することができます。企業はまずは変動費を回収していき、その次に固定費を回収していき、両方回収して初めて利益が発生します。この両方回収する点が以下の図に記載された損益分岐点です。

限界利益を表した図

損益分岐点の計算式で使う

変動費率は損益分岐点を求める式でも使われます。以下が損益分岐点を求める式です。損益分岐点を求めるには売上高と変動費、固定費の3つの数字が必要です。まずは売上高と変動費から変動費率を求め、固定費と変動費率から損益分岐点を求めます。

損益分岐点の計算式





変動費と固定費の違い

費用には変動費と固定費がある

変動費率について見ていくためには、まずは変動費とは何かを知っておく必要があります。費用は変動費と固定費に分けられますが、変動費は売上の増減に連動して変化する費用のことで、固定費は売上の増減とは関係なく発生する費用のことです。売上げに対して変動するかしないかで変動費と固定費とそのまま名前がついています。

変動費の種類

変動費は売上の増減に連動して変化する費用で、原材料費や商品仕入れ費用、包装費、荷造運賃、外注加工費、燃料費などがあります。

固定費の種類

固定費は売上とは関係なく必要となる費用で、極端な話売り上げがゼロでも必要となる費用です。固定費には設備の減価償却費や賃貸料、営業部・総務部・経理部の人件費や研究開発費などがあります。



変動費と固定費の分類

分類には3つの方法がある

変動費率を求めるためには総費用を変動費と固定費とに分ける必要がありますが、損益計算書にはそれぞれの勘定科目が変動費と固定費とに分けて記載されているわけではありません。また一つの勘定科目でも変動費の側面と固定費の側面の両方を持つものもあり、どちらに分類するかも容易ではないケースも多々あります。

このことが変動費率を経営分析で使いづらいものにしている大きな理由の一つなのですが、今回はいくつか変動費と固定費を分類する方法を紹介します。

個別法

個別法とは損益計算書の各科目を売上との連動制の高さから判断して固定費と変動費に分類する方法です。まず費用を製造原価、販売管理費、営業外損益に分け、製造原価のうち原材料は変動費にしす。販売管理費のうち販売手数料や販売のための旅費交通費は変動費にし、一般管理費は固定費にします。営業外損益は売上との連動性が低いので固定費にします。このような分類法を個別法または勘定科目法といいます。詳しくは勘定科目法で固変分解で解説しています。

総費用法

次はグラフを使って総費用と売上高から変動費と固定費を見ていく方法です。まずは縦軸に総費用、横軸に売上高となるグラフを作ります。つぎに各月の売上高と総費用の点をグラフに記載します。そしてその点を線でつなげば下の表のように変動費と固定費の値がわかります。

総費用法の表

総費用法の変形

総費用法よりもより簡単に変動費と固定費を求めることもできます。ただし正確性は総費用法ほどではありません。用意するのは前期と当期の売上高と総費用の値のみです。表を作る必要もありません。ここでは固定費は変わらないという前提で計算します。

固定費は変わらないので売上高が増え、総費用が増えれば、総費用の増えた分は全て変動費ということになります。そして売上高の増加分と総費用の増加分から変動費率を計算することができます。

前期当期増減
売上高800900100
総費用75080050

変動費率は50割る100で50%です。当期の変動費は売上高900の内の50%で450になります。総費用800から450を引けば固定費350を求めることが出来ます。



業種による変動費率の違い

製造業は変動費率が控えめ

変動費や固定費の割合は業種によっても異なり、変動費率も業種により差が見られます。例えば製造業であれば生産設備や労働者などを多く抱えているので、その分固定費である設備の減価償却費や人件費の割合が高くなります。また運輸業や飲食業の場合も店舗や従業員を多数抱えているので、その結果固定費である人件費が多くなりがちです。どちらも固定費の割合がでかくなる分変動費率は控えめです。

卸売業は変動費率が高め

一方で卸売業は仲介手数料が主な収入源で、薄利多売な業種だといえます。このため売上高を増やすためにたくさん仕入れて販売するため、変動費である仕入原価や輸送費などの割合が高くなり、その結果変動費率は高くなります。

製造業、運輸業、卸売業の変動費と固定費の割合



変動費率を改善するには

変動費率を改善するには変動費をいかに削減するかにかかっています。原材料の価格交渉や購入方法の見直しなどにより原材料費の削減に努めたり、輸送費などの改善に努めたり、歩留まり率の向上などに努めるなどの施策が考えられます。歩留まりとは投入した原材料により見込まれる生産量に対して、実際に欠陥無しで製造・出荷された製品の割合のことです。工場の合理化などにより不良品を削減することで、原材料費の抑制につながります。

このほかにも変動費を構成する各勘定科目の数値を改善する施策を取ることで変動費率を下げることが可能です。




※参考資料
経営分析入門―ビジネス・ゼミナール
経営分析の基本
これならできる!経営分析
ほんとうにわかる経営分析
新版経営分析の基本がハッキリわかる本


勘定科目法で固変分解 || 限界利益
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公開日 2018/03/12




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