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総資本経常利益率(ROA)



総資本経常利益率とは

総資本経常利益率(ROA)の意味

総資本経常利益率とは会社の収益性を見る指標のひとつで、使ったお金でどれだけの利益を稼いだかを判断します。ちなみに総資本とはどのような手段でお金を集めたのかを表しており、総資産はそのお金を使ってどのような資産を取得したかを表しています。したがって総資本の額も総資産の額も同額になります。このことから総資本経常利益率は別名総資産経常利益率(return on assets ROA)とも呼ばれます。


総資本経常利益率(ROA)の計算式

総資本経常利益率は経常利益を総資本で割って計算します。計算式は以下の通りです。

総資本経常利益率(ROA)の計算式





総資本経常利益率の見方と目安

総資本経常利益率の使い方

総資本経常利益率(ROA)を使うなら自社の過去の実績と比較し、その推移で収益性の改善や悪化などを判断するといいです。他にも収益構造の近い同業他社やその業界での平均的な総資本経常利益率(ROA)との比較も有効です。


総資本経常利益率の目安は?

参考までに2017年度の各業界の総資本経常利益率(ROA)の平均を掲載します。まず全産業では4.3%で、製造業では5.3%、非製造業では3.9%と製造業の方が総資本経常利益率(ROA)は高くなっています。次に各業界を見ると自動車や情報通信、化学といった業種が総資本経常利益率が高くなっています。一方で不動産や鉄鋼、電気や飲食といった業種では総資本経常利益率は低くなっています。

総資本経常利益率(ROA)の業界平均(2017年)



経営資本営業利益率とは

経営資本営業利益率の意味

投下資本の収益性を判断する指標である総資本経常利益率ですが、総資本には直接本業には関係のない遊休資本なども含まれ、経常利益には金融収支が含まれるため、より厳密に収益性を見極めたい場合には総資本から遊休資本を差し引いた経営資本と、生産と販売活動によってもたらされる営業利益を用いた経営資本営業利益率を使います。

営業利益と経常利益、総資本と経営資本の違い

しかしながら外部から遊休資本や投資有価証券を見極め、総資本からそれを除外して経営資本を求めるのは困難なため、総資本経常利益率が一般に広く使われています。ちなみに経営資本営業利益率の計算式は以下の通りです。

経営資本経常利益率の計算式


経営資本営業利益率は自社分析で

外部からはわかりにくい遊休資本も、内部からなら見分けもつけやすいはずです。そのため経営資本営業利益率は自社分析でよく使われます。利益率の大体の目安は、法人税が40%〜50%ほど引かれる事、役員賞与や配当に回す分、内部留保に回す分などを考慮して大体10%はほしいところです。もちろん多いに越したことはありません。しかし10%と言う数値も多くの企業で達成が難しいのが実情のようです。ちなみに総資本経常利益率の日本での全業種平均は3%程度で、製造業では4%、非製造業で2.6%程度になります。

経営資本営業利益率の目安



総資本経常利益率を高めるには

総資本経常利益率(ROA)を高めるには、総資本経常利益率を総資本回転率と売上高経常利益率に分解して考えるといいでしょう。これは総資本経常利益率の分母と分子に同じを数字をかけてさらにそれを分解したもので、どういうことかと言うと下の表をご覧いただくとわかりやすいと思います。分子と分母に同じ数字を掛け合わせているので、同じ結果を導く計算式となります。

分解した指数それぞれを高める施策をとれば、それを掛け合わせた結果である総資本経常利益率も向上するというわけです。売上高経常利益率を高める方法は、売上高経常利益率とは、計算式、業界平均についてで詳しく解説しています。総資本回転率を高めるには、まずは分母である総資本とりわけ負債の圧縮に努め、同時に分子である売上高の向上に励むと良いでしょう。総資本回転率については総資本回転率で詳しく解説しています。




総資本経常利益率を使って企業分析

各社の総資本経常利益率は?

それでは実際に総資本経常利益率(ROA)を使って企業分析を行ってみましょう。今回ホームセンター大手3社を比較してみます。数値はいずれも2013年度のものです。まずは各社の総資本経常利益率を見てみましょう。総資本経常利益率は10%はあれば理想ですが、じっさいは全業種平均で3%程度が実情です。ホームセンター業界ではDCM、ナフコが約5%とまずまずの数値です。そんな中ニトリ1社だけが19.7%と、他社を大きく引き離す高い数値を示しています。資本をかなり効率的に運用し、利益を生み出していることがわかります。

各社の総資本経常利益率(ROA)2013年


各社の総資本回転率は?

総資本経常利益率は総資本回転率と売上高経常利益率に分解して分析することができるので、つぎに各社の総資本回転率について見ていきます。総資本回転率は、少ない資本をたくさん回転させてどれだけたくさんの売上高をあげれるかという資本の活動性を見る指標です。総資本回転率は1回転していればまずまずの数値です。ホームセンター業界の3社はいずれも1回を上回っており資本を効率的に活用し売上につなげていることがわかります。

各社の総資本回転率 2013年


各社の売上高経常利益率は?

次に売上高経常利益率ですが、ナフコは5.6%と3社の中ではまずまずです。DCMは3.8とやや見劣りします。そんな中ニトリはここでも16.3%と群を抜く高い数値を記録しています。

各社の売上高経常利益率 2013年


まとめ

DCMの総資本経常利益率は4.9%と3社の中ではほどほどの数値ですが、総資本回転率と売上高経常利益率に分解して分析してみると、高い総資本回転率と低い売上高経常利益率の結果によるものだということがわかります。このことからDCMは売上高経常利益率の改善が業績回復の鍵になるものと思われます。

ナフコは総資本経常利益率が5.6%と3社の中ではまずまずの数値です。総資本回転率は1.08回でこれもまずまずの数値です。売上高経常利益率も5.3%と3社の中ではそれほど悪くもありません。業界内での平均的な総資本経常利益率は、どちらも業界内で平均的な総資本回転率と売上高経常利益率によってもたらされていることがわかります。

最後にニトリについて見ていきますが、こちらは総資本回転率は1.20回と他の2社と比較してもさほど違いはありませんが、売上高経常利益率が16.3%と特に高い数値を示しています。高い収益性が総資本経常利益率の高さを支えていることがわかります。他の2社がニトリとの差を縮めるためにはなにより売上高経常利益率を改善することが必要であるといえるでしょう。




※参考資料
これならできる!経営分析
経営分析の基本
経営分析の考え方・すすめ方
経営分析入門―ビジネス・ゼミナール




売上高販管費率 || 自己資本当期利益率(ROE)
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最終更新日 2018/06/01
公開日 2006/11/27




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