![]() ROEと自己資本比率で分析 | ||
今回は企業の収益性を見る指標のひとつであるROE(自己資本当期利益率)とそれとの関連で安全性を計る指標である自己資本比率を使って企業分析を行っていきます。今回取り上げる業種は家電業界です。 ■今回使う指標 自己資本当期利益率(ROE)、自己資本比率 |
まずは株主が投資した資金で効率よく利益を稼いでいるかどうかを見る指標であるROEを使って各社の収益力をみていく事にしましょう。
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自己資本(株主資本)は他人資本と違い返済義務や利息支払い義務はありません。配当支払い義務はありますが、業績に応じて無配当とすることもできるので、業績悪化時には他人資本とは違い余計な負担を受けずにすみ企業体力をすり減らす心配がなくなります。よって自己資本比率が高いほど業績悪化などに対する抵抗力・企業体力が高いと判断できます。それでは5社の自己資本比率を見てみましょう。
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ROEは分母である自己資本が小さければ小さいほど高くなり収益性も一見良く見えます。しかしながら自己資本が小さいという事は自己資本比率の低下をも意味しますのでそれは同時に企業体力の低下にもつながります。ROEだけではなく自己資本比率もチェックしなければ収益性を正確に見極めることはできないのです。適度な自己資本比率を維持した上でのROEというのが重要なのです。そこで今度は5社のROEと自己資本比率を見て見ましょう。
ROEでは見劣りする三菱電機ですが、これは1つに自己資本比率の高さが要因となっているので、収益性の部分ではキャノンには劣りますがそこまで悪いわけではありません。逆に東芝や日立はROEは三菱電気よりも高いのですが自己資本比率が低いので、自己資本比率を三菱電機並みに改善していくとROEは三菱電機よりも低くなるでしょう。このように片方の指数だけでなくROEと自己資本比率の両方の指数をチェックすることが重要になります。最後にソニーですが自己資本比率が低い上にROEも低い数値となっています。安全性、収益性の部分で今後大きな改善が必要だといえるでしょう。 |
自己資本(株主資本)は大きく資本金とそれ以外の準備金や前期繰越利益などに分けることが出来ます。資本金には配当義務がありますがそれ以外の部分にはありませんので、自己資本も資本金の割合が低いほどより企業体力の向上に寄与する事になります。そこで5社の自己資本の中身に付いて見てみましょう。
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