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労働装備率




労働装備率とは

労働装備率は従業員1人辺りの設備投資金額(有形固定資産)がいくらかを表し、生産の合理化の程度を表す指標として使われます。多くの日本の産業では、溶接や組立をはじめとした工場での作業を機械化し、より高性能な工作機械の開発を進めて行く事で作業の自動化、生産の合理化を進めています。こうした生産の合理化を進めていくと機械装置や工具器具備品などの有形固定資産は増加し、従業員数や人件費は自動化の影響でスリム化されていきます。結果、従業員1人辺りの有形固定資産額である労働装備率は改善されます。生産の合理化によって向上していく労働装備率を見ることで企業の合理化具合を判断することができるのです。

機械化の進展   生産の合理化   人件費の圧縮   労働装備率の改善



労働装備率の計算式

労働装備率 = (有形固定資産 - 建設仮勘定)の2期平均
従業員数の2期平均

労働装備率は上記の計算式から求めることができます。ちなみに建設仮勘定とは建設中で未稼動な建物を計上したものです。



労働装備率の使い方

労働装備率は業種ごとの特殊性がよく反映される指標です。全業種平均は3,374万円で、製造業は2106万円、非製造業は5,143万円です。不動産業は22,293万円で、電力は21,910万円、石油19,697万円で、証券金融は444万円と業種で非常に差が出ます。したがって業種別での比較はあまり有効ではありません。同一業種や自社の過去の実績との比較が有効でしょう。下の表では自動車業界についてみていますが、ホンダや日産にくらべて労働装備率の低いトヨタはそれだけ生産の合理化が遅れているとみることが出来ます。

トヨタホンダ日産
有形固定資産(百万)1,200,458747,908795,993
従業員69,12525,67328,403
労働装備率(百万)17.329.128.0

またおなじ業種でも減価償却の仕方の違いによる差にも注意が必要です。減価償却には定額法と定率法があります。取得原価100万円、耐用年数が5年であれば、定額法の場合初年度の減価償却費は20万円で、差引帳簿価格は80万円に、定率法の場合は初年度50万円で差引帳簿価格は50万円になります。おなじ年におなじ有形固定資産を購入しても減価償却の仕方の違いにより差引帳簿価格に差が出てしまうのです。

定額法定率法
取得原価1,000,0001,000,000
減価償却累計額200,000500,000
差引帳簿価格800,000500,000
従業員10001000
労働装備率800500

それから有形固定資産の中に土地が多く含まれるときは、土地は除いて償却資産を比較した方が適切です。合理化とはあまり関係のない土地や建物を所有している場合と、賃借している場合とでは労働装備率に大きく差が出てしまうからです。




※参考資料
経営分析の基本
経営分析の考え方・すすめ方
これならできる!経営分析


労働生産性 || 1人当たり売上高
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text 2011/06/21




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