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労働生産性




労働生産性とは

労働生産性の計算式

付加価値を従業員数で割ると1人辺りでどれだけの付加価値を創造しているのかを見ることができます。ある2つの会社で付加価値が同額でも従要員数に差があれば、従業員数の少ない方が従業員1人が生み出す付加価値が高い事になります。付加価値を従業員数で割ってもとめる数値を労働生産性といい、労働生産性が高いほど1人辺りの従業員が生み出す付加価値が高いことになります。労働生産性とは従業員の生産性を見る指標なのです。



付加価値とは何か?

付加価値とは企業が新たに生み出した価値のことで、外部から原材料や商品などを調達し、それに加工や新たなサービスを付加することで原材料費に付加価値分をプラスして販売することができます。企業はこうした付加価値により人件費や賃借料、減価償却費などの費用を賄い、さらに余った分が利益となります。企業の存在理由は利益を上げることですが、もっと言えば付加価値を生み出すことだともいえます。付加価値は営業利益や人件費、賃借料や租税公課、支払特許料や減価償却費を合計して計算します。付加価値については付加価値で詳しく解説しています。



労働生産性の見方

労働生産性からは以下のようなことがわかります。以下の条件を満たしている企業ほど労働生産性は高いといえます。

・従業員一人一人が効率的に価値を生み出しているかどうか。
・会社に競争力があるかどうか。
・会社の仕事がはかどっているかどうか。



労働生産性を改善するには

問題点はどこにあるのか

労働生産性が悪化した場合、その問題点が労働者の能力や意欲だけにあるとは限りません。設備などの生産的要素が労働と旨くかみ合わずに有効に機能していない場合もあります。どこに問題があるのかをしっかりと見極める事が大事です。

会社のシステムの見直しも重要

労働生産性を上げるには従業員の能力やがんばりも大切ですが、システム全体をよりよい物へと改善していくことも重要です。たとえばタクシー会社を例に出すと、GPSを導入することでタクシーの現在位置が即座に把握でき、タクシーの要請がかかれば現場近くのタクシーをすぐに向かわせることが可能となります。この結果タクシーの適正配置が進み一台辺りの売上の向上にもつながり、一人当たりの付加価値(労働生産性)も向上します。このように情報力や効率化を高める新システムを導入することでも労働生産性を向上させることができるのです。



労働生産性の使い方

同業種や自社の過去の実績と比較

労働生産性は付加価値と同じように同業他社や自社の過去の実績との比較が有効でしょう。業種別では不動産業などのように取扱商品の金額が大きなところや、製造業のような機械化する事で効率化され少人数での運営が可能となった業種が比較的労働生産性は高いようです。同業種と比較して労働生産性が低い場合は余剰人員を抱えている可能性があります。そうなると人員整理などの選択肢も考慮する必要が出てくるでしょう。

全産業の近年の労働生産性の推移

同業種と比較をするならまず調べたい業種の近年の労働生産性の数値を調べる必要があります。このとき便利なのが財務省が発表している「法人企業統計調査」です。これは全産業や各産業ごとに様々な財務指標のデータを収集して発表しているもので、誰でも簡単に参照することができます。リンク先は以下の参考文献のところに記載しています。法人企業統計調査では労働生産性ではなく従業員一人当たり付加価値額として発表していますが、これは労働生産性と同じものです。まずは全産業、製造業、非製造業の労働生産性の近年の推移を見て行きます。

全産業の労働生産性はここ数年は回復傾向にあることがわかります。また製造業と非製造業では製造業の方が高い労働生産性を記録しており、製造業はそれだけ付加価値を生み出しやすいということが改めてわかる結果だといえます。

産業別労働生産性の推移
2011201220132014
全産業668万円666万円690万円705万円
製造業751万円752万円809万円818万円
非製造業642万円640万円654万円671万円

産業別の労働生産性の比較

それでは次に2014年度の各産業の労働生産性を見て行くことにします。下の表を見てみると大規模設備などを抱える電気業や化学、自動車、鉄鋼などの製造業が特に労働生産性が高いことがわかります。また取引高の多い不動産業も高い労働生産性となっています。小売りや卸売業、飲食サービス業などの非製造業、食料品や農林水産業などは労働生産性が他の業種と比較すると低くなっています。

労働生産性の各業界の数値



労働生産性を分解して分析

労働生産性を高めるにはどうしたらいいのかを考えるときは、労働生産性という指数を分解して考えてみるのも1つの方法です。

1人当りの売上高と売上高付加価値率に分解

労働生産性の分子と分母に売上高を掛けて分解すると1人当りの売上高と売上高付加価値率になるので、それぞれを高める施策をとることで労働生産性を向上させることができます。
労働生産性を分解1

売上高付加価値率と労働装備率と固定資産回転率に分解

労働生産性の分子と分母に売上高と固定資産を掛けて分解すると、売上高付加価値率と労働装備率固定資産回転率になるので、それらを高めれば労働生産性は向上します。労働装備率は労働集約型の生産形態から機械化を進めていくことで高まり、固定資産回転率は固定資産を有効活用して売上高を伸ばすことで高まります。こうしたことから労働生産性を高めるには機械化や自動化などの投資を進めて効率化を計ることが重要だという事がわかります。
労働生産性を分解2




※参考資料
経営分析の基本
経営分析の考え方・すすめ方
これならできる!経営分析
経営分析入門―ビジネス・ゼミナール
財務省・法人企業統計調査


※実践編


設備投資効率 || 労働装備率
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最終更新日 2017/03/02
公開日 2010/07/09




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