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運転資本の種類と計算式、正味運転資本、必要運転資本とは



運転資本とは?


運転資本とは日々の営業活動や生産活動を行っていく上で必要となる現金(資金)のことです。例えばスーパーマーケットであれば販売するための商品をそろえるために、まずは商品を仕入れなければなりません。 また製造業であれば商品を生産するために材料を購入しなければなりません。商品の仕入代や材料の購入費、従業員の給料、各種経費の支払い費用などをまかなうために必要となる短期の資金を運転資本といいます。企業は運転資本がなければ日々の営業や生産を満足に行うこともできません。運転資本に含まれるのはほかにも納税のための資金やリストラに必要な資金、借入金の返済のための資金などがあります。




運転資本の種類


運転資本には総運転資本、正味運転資本、必要運転資本の3つの種類があります。一つめの総運転資本ですがこれは流動資産をさします。流動資産には現金及び預金、売上債権、市場性のある有価証券、棚卸資産などがあります。流動資産は1年以内に現金化される短期の資産であるため、流動資産の合計額を運転資本とします。

流動資産 = 総運転資本

運転資本の種類




正味運転資本


正味運転資本は流動資産から1年以内に返済の必要がある流動負債を引いて求めます。流動負債には支払手形、短期借入金、未払金、買掛金、前受金、預り金、納税引当金、未払費用などがあります。正味運転資本は返済の必要がある流動負債を考慮することなく使える資本です。

流動資産 − 流動負債 = 正味運転資本

正味運転資本は流動負債と流動資産の比率である流動比率と同様、短期的な支払い能力から企業の安全性を見ることができます。正味運転資本が多ければ多いほど短期的な支払い能力には余裕があり、資金繰りも楽になります。逆に正味運転資本が少なかったりマイナスであれば、短期的な支払い義務のある流動負債を短期的に資金化できる流動資産で賄えなくなるため企業の安全性に問題が生じる可能性が高くなります。流動比率については流動比率の意味や計算式について、200%を超えれば理想的で詳しく解説しています。

プラスとマイナスの正味運転資本




必要運転資本


最後は必要運転資本です。一般に先に来るのは商品や材料の購入代金の支払いで、現金が入ってくるのはその商品を生産・販売して現金を回収してからです。現金が入ってくるまでの間はつなぎの資金が必要となります。支払った資金が棚卸資産と売上債権として寝ている間に必要となる資金が必要運転資本です。一方仕入債務は現金支払いが猶予されているので、その間資金は浮くことになります。このため仕入債務がある分必要となる運転資本は少なくて済みます。必要運転資本を計算する式は以下の通りです。

売上債権 + 棚卸資産 − 仕入債務 = 必要運転資本
売上債権 = 売掛金 + 受取手形
仕入債務 = 買掛金 + 支払手形

必要運転資本を少なくするなら商品売上げの代金は現金で受け取るか売上債権の回収期間を短くすることです。こうすると現金が入ってくるまでの期間が短くなるのでその分必要となる運転資本も少なくて済みます。また仕入れの代金は掛けで支払い、支払いまでの期間も長めにすると現金がその間出て行かずに保留されるので必要となる運転資本も少なくなり、結果資金繰りは楽になります。




必要運転資本はフリーキャッシュフローの計算でも


必要運転資本はフリーキャッシュフローを求める式でも使われます。棚卸資産は現金の支出はあってもまだ費用化されていないのでフリーキャッシュフローではマイナスになります。売上債権も収益として計上されますがまだ現金が入っていないのでこちらもフリーキャッシュフローではマイナスになります。仕入債務は費用化されていますがまだ現金は流出していないのでこちらはフリーキャッシュフローではプラスになります。

フリーキャッシュフローの計算式ではキャッシュのマイナスの要因となる売上債権と棚卸資産からプラスの要因となる仕入債務を引いた必要運転資本(追加運転資本)をひいて計算します。くわしくはフリーキャッシュフロー(FCF)の意味と計算方法についてで解説します。




※参考資料
ケースで学ぶ財務諸表分析
企業価値を創造する会計指標入門
新版経営分析の基本がハッカリわかる本
キャッシュフロー経営入門


自己資本比率(株主資本比率)とは || 現金主義、発生主義、実現主義の違い
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公開日 2016/12/05




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